あなたの会社のロゴが入ったTシャツ、社員や顧客は着たいと思いますか?
リモートワークが当たり前になり、組織が拡大していく中で、多くの企業が同じ課題に直面しています。
オフィスで顔を合わせる機会が減り、新しいメンバーが増えても、会社のカルチャーや価値観を共有する場が少ない。顧客やファンとの接点も、サービスの利用時だけに限られてしまう。周年イベントや採用キャンペーンは実施しても、その効果は一時的で、ブランド資産として蓄積されていかない。
そんな中、海外の先進企業が取り入れているのが「公式グッズショップ」という仕組みです。
公式グッズショップとは何か
公式グッズショップは、海外では「SWAG STORE」と呼ばれています。これは単なる企業ノベルティの配布や販促グッズの販売とは異なります。
企業のロゴやスローガン、カルチャーを体現したグッズを、社員やファンが「欲しい」と思って自ら購入し、日常的に使うことで、ブランドへの愛着や一体感を育てる仕組みです。
海外企業の実例
Notionの公式グッズショップでは、シンプルで洗練されたデザインのアパレルや小物が並んでいます。単なるロゴ入りグッズではなく、Notionのミニマルな世界観を体現したアイテムばかりです。
Githubの公式ショップでは、開発者文化を反映したユニークなデザインのTシャツやステッカーが人気です。ファンが自ら購入し、SNSでシェアすることで、自然とブランドが広がっていきます。
ECプラットフォームのShopify自身も、Shopify Supplyという公式ブランドストアを運営しています。社員だけでなく、Shopifyを使うマーチャントやパートナー企業にも人気です。
これらの企業に共通しているのは、グッズを「配る」のではなく、「欲しいと思わせる」こと。そして、そのグッズを通じて企業文化を日常に浸透させていることです。
そして、私たちECPowerも公式ストアを運営しています。Shopify構築・グロース支援を提供する企業として、自社で実践することで得られるノウハウを蓄積し、クライアント支援に活かしています。社員が日常的に使えるTシャツやマグカップを通じて、チームの一体感を育てながら、公式グッズショップの可能性を体現しています。
企業が直面する3つのエンゲージメント課題
多くの企業が、社員や顧客とのエンゲージメントについて、以下のような課題を抱えています。
1. 社員の一体感が持てない
リモートワークの普及や組織の急速な拡大によって、カルチャーを共有する場が減っています。新入社員が増えても、「この会社で働いている」という実感や誇りを育てるのが難しくなっています。
特に、分散したチームや複数の拠点がある企業では、物理的な距離が心理的な距離にもつながりやすく、社員の帰属意識が薄れがちです。
2. ファンとのつながりが薄い
サービスや商品に共感してくれる顧客はいても、それを日常的なブランド体験に転換できている企業は多くありません。
SNSでのエンゲージメントやイベント参加は一時的なもので、ブランドへの愛着を深めるタッチポイントが不足しています。結果として、顧客ロイヤルティが育ちにくく、リピート率やLTVの向上にもつながりません。
3. 施策が一過性で終わる
周年記念イベントや採用キャンペーンなどで企業グッズを制作することはあっても、それが単発で終わってしまいます。
大量に作ったノベルティが倉庫に眠ったまま、あるいは配布したものの使われずに捨てられてしまう。せっかくの投資が、ブランド資産として蓄積されていかないのです。
公式グッズショップがもたらす3つの価値
公式グッズショップは、これらの課題を解決し、企業に具体的な価値をもたらします。
1. 社員エンゲージメントの向上
内定者や新入社員には、ウェルカムグッズとして会社へのワクワク感と誇りを届けられます。既存社員には、日常的に使えるアイテムを通じて、企業のバリューやカルチャーを自然と思い出させることができます。
採用力の強化から定着率の向上まで、人材施策全体を支える継続的な仕組みになります。
実際、Gallupの調査によると、社員エンゲージメントの高い企業は利益率が23%高く、顧客ロイヤルティも10%向上するというデータがあります。グッズショップは、そのエンゲージメント向上の具体的な施策の一つとして機能します。
2. 顧客ロイヤルティの強化
公式グッズは、単なるノベルティではありません。ファンが自ら購入し、ブランドを身につけ、SNSで発信してくれる資産になります。
コミュニティの盛り上げや自然な拡散に加え、ECでの直接収益やLTV向上にも寄与します。顧客が日常生活の中でブランドを体験し続けることで、サービスへの愛着がさらに深まっていきます。
3. 運用効率とコスト削減
従来のノベルティ施策では、大量発注による在庫リスクや、配送・管理の手間が大きな負担でした。
公式グッズショップでは、Printfulなどのオンデマンドサービスと連携することで、在庫を持たずに運営できます。注文が入ってから印刷・発送されるため、不要な在庫や廃棄コストも発生しません。
さらに、ストア上の注文データから、どのグッズが人気か、どの部署やチームがよく利用しているかを可視化できます。これにより、カルチャーの浸透度を測り、次の施策に活かすことができます。
なぜShopifyなのか
公式グッズショップを作るなら、ECプラットフォームの選択が重要です。
STORES、BASE、カラーミーショップなど、日本にも様々なECサービスがありますが、公式グッズショップを運営するならShopifyが最適です。
1. Printful連携で在庫レス運営が簡単
ShopifyとPrintfulは連携が非常にスムーズです。オンデマンド印刷・発送の仕組みを簡単に導入でき、在庫を持たずにグッズショップを運営できます。商品が注文されたら自動的にPrintfulに発注され、印刷・梱包・発送まで完結します。
2. 拡張性が高く、小さく始めて大きく育てられる
最初は社員向けの簡易的なストアとしてスタートし、後から一般公開、メンバーシップ限定販売、海外展開など、ビジネスの成長に合わせて機能を拡張できます。
Shopifyには豊富なアプリエコシステムがあり、必要な機能を後から追加できる柔軟性があります。
3. おしゃれでブランドの世界観を作れる
Shopifyの洗練されたデザインテンプレートと自由度の高いカスタマイズ機能で、ブランドの世界観を表現した美しいストアを作れます。
Notion、Github、Shopifyといった先進企業が自社の公式グッズショップにShopifyを選んでいるのも、この「ブランド体験」を損なわずに表現できるデザイン性の高さが理由です。単なるグッズ販売サイトではなく、ブランドストーリーを伝えるプラットフォームとして機能します。
まとめ:エンゲージメント戦略としての公式グッズショップ
公式グッズショップは、単なるグッズ販売の仕組みではありません。企業文化を社員と顧客に届け、ブランドへの愛着を育てる、継続的なエンゲージメントプラットフォームです。
採用、オンボーディング、社員定着、ファンづくりまで、組織の成長を支える様々なシーンで活用できます。従来の一過性のノベルティ施策とは異なり、データとして可視化でき、ブランド資産として蓄積されていきます。
そして、Shopifyを使えば、技術的にも運用的にも持続可能な仕組みを作ることができます。在庫を持たず、小さく始めて、組織の成長に合わせて育てていける。
あなたの会社のロゴが入ったTシャツを、社員が誇りを持って着る。ファンが自ら購入し、SNSでシェアする。そんな未来は、公式グッズショップから始まります。